(本編)ただいま一人旅中

 

 

ここは特に骨董品の呼び込みが活発。折角だしいい奴のところで吹き具を買うことにした。専用の液体がなくても浮球を生み出せるようで月の光を一部取り込んでるようにも思える。悔しいがきれいだ。

 

 

それとおまけに硝子の玩具を差し出されたので貰っておいた。色が鮮やかで目に痛い。店主曰く笛の要領でやればよく加減が重要だとか。破損の可能性があることを手間をかけて説明していたから無闇に出さない方がよさそう。硝子だし。

 

 

………満月がよく見えるとはいえ大分外れの方に来たが帰りはどこを行けばいいんだろうかそこに誰かいるし座って見ていよう。こちらに材料となる何かを期待しているようだけど?

 

 

 

 

「いひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ」

 

 

「珍しいねえ」

 

 

「お嬢ちゃんはチュリグの娘だろう?お前さんが蠱草香(こそうこう)を売っているのを見たんだ」

 

 

「あれ………イイ品なんだろう?まだあったら是非ともおくれよ」

 

 

「なあに手荒なことはしないさそんなに警戒しないでくれ」

 

 

 

怪しい婆さんがこちらに近づいてきている………………………言うことが不審だが嘘ではないようだ。貰ったものだが元からそういう目的で来たので渡しておこう。

 

 

 

「いーひっひっひっひっ………ありがとねえ今度の調合に使うとしよう」

 

 

中身を見るまでもないのだが鉤鼻婆さんの機嫌がよくなった。劇的に。

 

 

「そこの道は欠けていて落ちたら恐ろしいことになるからねえ」「やめといた方が賢いよぉイーヒッヒッヒッ」

 

 

それだけ言うとさっさと行ってしまった。………………ん?

 

 

鳴き声の方を見ると黒い猫がいた。言われたのと違う道を進んではこちらを振り向いて確認しているが誘導をしたいのだろうか。そろそろ尻も痛くなってきたし行ってやろう。

 

 

 

 

しばらく歩くと活気のあるところに出た。あの猫はというと着くなり混んでいる合間を容易く抜けて森の方に帰って行った。

 

 

 

……………………次は何処に向かおうか………………

 

 

クラウィッチ・パンプキン (詳しい年齢は不明)

 

黒いローブを着込み目深にフードを被った頭身が低い精霊の老婆。猫背なのも手伝い背中にまで垂れ下がった白髪と鉤鼻が大きな特徴で言動が胡散臭く自身の作ったものに対してプライドを持っている。「薬学」を信仰しており様々な効能を持つ薬を相応の知識と経験を持っていることを前提として作成出来る加護を持つ。

 

自分の容姿にコンプレックスは抱いていないが指摘されると一旦直しに帰りその間は使い魔(懐かれた動物の総称)が代わりに対応する。戻ってきた後の容姿は鼻が大分引っ込み背筋が伸びたおばさんになっていたが帰る時には元に戻っている。

 

普段は一軒家で使い魔たちと暮らしながら調合をいつも真面目に楽しみ完成したものを売りに出てくる。旅行者に材料を求めたりもしており渡されると機嫌が良くなった後使い魔を触らせてくれるか危ないところを教えるか安全な帰り道を教えるかなどを「渡してくれた材料の良さ」ではなく「本人の気分」によってしてくれるが実は渡されなくても同じ。