(本編)死(屍)人さんを保護した

 

 

 

「起き上がれないよー!起き上がれないよー!」

 

 

「わったわったわったわった起き上がれないよー!」

 

 

「起き上がれないよー!起き上がれないよー!わたわたわたわたわたわた」

 

 

 

「御歌中なことを理解した上でよろしいでしょうか我が王」

 

 

「ん?」

 

 

「あれれ?グリムちゃんどうしたのかなその子?」

 

 

 

「砂浜で苦しんでました」

 

 

「完璧に青白いよね?ハサマの目大丈夫だよね?」

 

 

「問題ないです我が王」

 

 

「鼓動・呼吸・体温もないというのに動けるんですよそれが」

 

 

「へー????」

 

 

「何それ面白そう!」

 

 

「おーい君大丈夫ー?」

 

 

「ごめんなさいすみませんがちを、ちをくださいでないとたいへんなことになってしまいますとりかえしのつかないことになってしまいますからきずつけてしまいますからおねがいしますたすけてくださいいきさせてくださいおねがいしますなんでもしますのでどうかどうかたすけて」

 

 

「…………グリムちゃん血液パックとりあえず多めによろしく………ちょっとこの子落ち着かせないとね………」

 

 

「…………いつまでも裸はやめた方がいいけど……服は……どうしようか……」

 

 

 

「適したものを持ってきます」

 

 

 

 

「真っ暗闇ですね………」

 

「光ないほうがいいかなと思って窓ないのにしてみたよ」

 

 

「…………あの、こんなに貰っていいんですか?」

 

 

 

「今のところはあるからね」

 

 

 

「いざとなれば送ってくれる子たちがいるし」

 

 

 

「呼びかけるなり献血でも協力してもらえばまあ大丈夫………なのかな?」

 

 

「そうなんですかそれはよかったですところであの方はグリムさんというのですか?」

 

 

「うん!」

 

 

「あの方の真っ暗闇は心地が良かったですありがとうございました住めるものなら彼処に住んでみたいものですがどうでしょうか」

 

 

「おすすめはしないよ時間経ったら前触れなく出されちゃうからねあの子の意思に関わらず」

 

 

 

「そうですかそれは怖いですわかりましたすみません飲みすぎてもあぶないのでちょっとだけ飲ませていただきますすみません」

 

 

「それじゃあ飲んだ分くらいの量に調整しとこうかな」

 

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 

「…………ところでそれの着心地はどう?下着とパジャマだけど」

 

 

 

「光をおさえることができるのでありがたいです」

 

 

 

「そっかぁよかったー!」

 

 

 

「生き血は……………」

 

 

 

「いいけど変なことはしないでね?」

 

 

 

 

「…………はい……………痛くは………しないので………」

 

 

 

「ごめんなさい失礼します………」

 

 

 

「あ、手首でもいいんだね?」

 

 

 

「(美味しい……………大事に飲んでおこう……あ、飲んじゃった………)」

 

 

 

「(いやー油断したら癖になりそうだなぁこの子)」

 

 

 

ハサマ様による現在の死人(本当は屍人)の認識

 

・必ず血がいる

 

・ないとヤバいことになるらしい

 

・光やだ無理

 

・鼓動とか呼吸とか体温ない

 

・真っ暗闇大好き

 

・吸われるとなんか幸せになる

 

・落ち着いてない

 

・生き血が一番いいのかな?

 

 

 

 

ラブル・トゥデス

 

中途半端な長さの薄い茶髪に同色の瞳の耳が尖った見た目は若く結構軽い屍人。生きられればどんな事でもするという思考なので反抗心もプライドも皆無だが焦りを隠せないし変に勘がよくそして嘘が吐けない。

 

痩せぎすの男。特殊能力は吸血した時の多幸感で味の好みはない。生きられれば何でもいいから血液パックでも不満無し。温もりは余程寂しさを感じる時以外あまり求めず暗いところで静かに過ごすのが安心できるようだ。

 

 

生への執着が非常に強い彼には壊されていく者を見続け自分もああなるのではないかという不安に怯え耐えられなくて逃亡。自分に必死だったので他の屍人へ何かを思うことも出来なかった。

 

日の光が差さないくらいの深度から一直線に何処とも分からぬ陸を目指して泳ぎその結果夕刻にチュリグの砂浜へなんとか辿り着く。

 

吸血は申し訳ないが生きるためなので仕方がないが戦闘行為に拒絶感を抱いており硬化も体外流出もしたがらない。

 

泳ぎ続けるのは当然ながら消耗が激しくだが吸った者を死なせてしまわないよう大きくて強いのを選び心の中で謝りながら量を調整した上で吸血して済ませていたようだ(後天種には一切していない)。

 

余談だが名前は英語で「死ぬほど困る人」を崩したもの。