(本編)ふきげんおうさま

 

 

今宵は雷が霰のように落ちまくり光で点滅しっぱなしが当たり前という大変荒れた天気のチュリグであった

 

 

幸いなことに観光客は少なかったものの衝撃を受けており従業員に「いつ止むのか?」と目に見えるほど焦りながら聞いている

 

 

それに対してフウカは「王の機嫌がどうにかなったら止みますよ」と慣れた様子で返したが若干目に生気が無かった

 

 

当の本人はというと何も言わず玉座で肘を付き足も組んで座しており背景も手伝いさながらRPGのラスボスといった具合になっていた

 

 

別に誰かに嫌なことを言われたりされたというわけではなくそれでは何故かと問われたら

 

 

「最近一人で寝るのが寂しい」というなんとも脱力しそうな理由になる

 

 

………正確には一人というわけではないのだがそこは置いておこうあまり公にしない方がいいことだからな

 

 

どうしても気になったらエクレアと調べてみるといいそれが何だか分かるのでね

 

 

 

理由は分かったが何故機嫌一つで天候が変わるのかというと全てではなく多少影響を与えるくらいですだそうだ

 

 

話を戻しておこう

 

 

自宅のベッドの上で過激派の筆頭格ナツメは「寝れない」とこの試練を乗り越えられない自分を恥じ極力声を押し殺してぼそりと呟く

 

 

当国のヴィランとは名ばかりの巻き込まれ幼女メイムは声を荒げることなく堂々と「うるせえ」と言い放ち雷の轟音にその声はかき消され

 

 

屈指の魔物飼いクロマは大荒れの天気にはしゃぐ魔物たちに念のため「中入ろうね」とマスコット的存在のモカと誘導している

 

 

最後の一人はというと足音を反響させながら玉座への扉を思い切り開け放ち

 

 

「一緒に寝ないのですか?」

 

 

王の代理かつ右腕であるグリムは不機嫌な主にそう尋ねた

 

 

 

「 寝 る 」

 

 

危うくまじんモード(魔神の弱体化バージョン)になりかけていたハサマ王だったがこの後無事に雷は少なくなりぐっすりかどうかはともかく国民達は寝ることが出来た

 

 

なお二人はベッドごと亜空間にダイブし仲良く添い寝をした