(本編)ハレノヒ

 

 

祭りで賑わう人混みの中を歩く度幽かにちりちりと髪飾りの鈴が鳴っている

 

 

どこの屋台も盛り上がっていていいね?

 

 

せっかくのハレの日だから当然といえば当然なのだけど

 

 

………さて食べ物はどこかな?お面とかシャテキ?しか見ない……あった

 

 

なるほどなるほどでかい鬼さんか寝てるみたいだし声かけてあげようね

 

 

「こんばんはおじさん……売れてるかな?」

 

 

「あ?なんでぇ嬢ちゃん……………おいあんた嬢ちゃんか?」

 

 

ふーんなかなか鋭い鬼さんだね

 

 

「ん?ハサマはハサマだよー?」

 

 

「…………………何で女物着てるんだチュリグの王様?」

 

 

 

困惑してるねー?はい回想に行こうー

 

 

「うーん」

 

 

「どっーちーにーしーよーうーかーなー」

 

 

「どうされましたか我が王?」

 

 

「あーグリムちゃんだ」

 

 

「いやーたまにはハサマもこういうの着てみようかと思って」

 

 

「良い心構えですね」

 

 

「どっちがいい?」

 

 

「ではこちらで」

 

 

「ちなみに理由は?」

 

 

「なんとなくあとこちら髪飾りです」

 

 

「グリムちゃんってたまに適当な感じになるね」

 

 

はいしゅーりょー

 

 

「選んでもらったのー」

 

 

「そうかいうかい連れはいねえのか?」

 

 

「皆は皆で楽しんでると思うよ!」

 

 

「いくつ買ってくれんだ?」

 

 

ヤキソバとかイカヤキとかツボヤキとかタコヤキとかいろいろあるみたいボリュームすごい

 

 

イカヤキ6つちょーだい」

 

 

「あいよ大食らいだな」

 

 

「食べるのが好きな子を連れてきてるものでね」

 

 

鬼さんは黙々とイカを焼いているね手際がいいなぁ!

 

 

あ、沢山の子が集まってきた今まで寝てたから起こそうにも出来なかったのかなー?よく分かんないね

 

 

「………………注文分焼けたからさっさと持ってけ」

 

 

「ありがとー!」

 

 

 

 

「ママー!!ぼくもあの子みたいな鈴ほしい!」

 

 

「あらあの女の子小瓶が素敵ね親御さんのセンスいいわぁ」

 

 

アクセサリーと思われてるのはとても好都合だね多分中身は蠱草香(こそうこう)だろうと思ってるんだろう

 

 

休憩所はどこだろうちょっとボロくてもいいから人があまり来ないところがいいな

 

 

そろそろ出してあげたいことだし

 

 

 

いっぱい食べ物買ってきたことだし重いな

 

 

風とか使ったら周りにぶつけちゃうかもしれないからねあと綿菓子が飛ぶ

 

 

トラブルはよくない

 

 

 

 

 

よくあったね有難いことだなるべく奥に座るとしよう汚れは全体的に吹き飛ばしておいたし特に問題ない

 

 

「ご飯だよエクレアちゃん」

 

 

「いやー待たせちゃったね?」

 

 

首にかけていた小瓶を外し机におくと蓋を開け真っ逆様にして中身を出す

 

 

簡易的な皿へどろりと黒い粘液が垂れていき先端に目玉らしきモノが創られていくと次に牙の生えすぎている口が現れる

 

 

「ヴァー」

 

 

あの中でずっと大人しくしていてくれたからご褒美だよおかげで怪しまれずに済んだ

 

 

…………………皿とか串ごと食べてるけど捨てる手間が省けるのと周りが汚くなくなるからまあいいか!

 

 

最近は食べ終えたらちゃんと戻ってくれるしね!

 

 

蠱草香(こそうこう)

 

乾燥させた果実の皮や木の実や綿毛やハーブや香辛料や花やオイルを混ぜ容器に入れて熟成させるもの

 

つまりチュリグ版ポプリである

 

呪いの方法など危険なものではない