(アイラヴ)激情大陸特別編

 

『視聴者からのリクエストにお答えする一心で交渉を続け実現出来ました』

 

黄金に輝くテロップが表示され様々な人名が書かれた紙に埋め尽くされていく画面

 

次に黒いシルエットが現れると拡大されて足から徐々に上がっていく

 

やがてそれは緑のスーツを着た白髪の中性的な雰囲気の子供の姿になった

 

『アイドルプロデューサー ハサマ』

 

マジックペンでの手書き風に名前が表示されていきここで有名なバイオリン演奏者による恒例のテーマソングが流れ始めた

 

 

スポンサー企業の名前に切り替わったがすぐに戻りお馴染みのナレーターによる本編が始まる

 

『彼の朝は社員やタレントへの声かけからだ』

 

『おはよう君達!今日も頑張っていこうね!!』

 

どんな者にもフランクに接する姿は親しみを感じられ

 

カメラに視線を向けるとウインクを決めて見せた

 

『ハサマPは初めからアイドルのプロデューサーだった訳ではない』

 

場面は変わりスポットライトの中でのファッションショーの映像

 

見目麗しいモデル達がランウェイを優雅に歩いている

 

『突如として彗星の如くファッション界に現れ世界へ上り詰めると』

 

『斬新な試みを次々と実践し時に失敗をしながらも精神性で乗り越えた』

 

場面が切り替わり今度はチュリプロの見える公園

 

カメラに向かって颯爽と歩いてくるのは着替えたP

 

『格好で容易に印象は変わるものだよ』

 

朝とは違い表情は真面目で黒が多く使われており世間一般で言う”オタク”のイメージであった

 

 

『最近はいつものでもバレるからね』

 

『緑がトレードマークになっているようだし赤にしようとも思ったけどやめた』

 

『どうも暖色は似合わないもので』

 

『本日はどこに行かれます?遊びではなさそうですが』

 

『視察だよ』

 

 

『割と真面目にやってるからね』

 

そう言い表情を消すと虚空を睨みつけたP

 

『どちらが本当の彼なのか謎は深まるばかりである』

 

優れた直感で都内のライブハウスに辿り着きそのまま入っていった

 

『予約とお目当て?ないよーこれお金ね。』

 

受付から聞かれる前に答え二人分の入場料とドリンク代を渡すP

 

受付は了承すると楽しんで下さいと言いドリンクチケットを慣れた様子で渡した

 

 

入場すると非常口付近へ移動し立ち見をすることに決めたPはドリンクチケットを自分の分までカメラマンに渡すという衝撃の行動をする

 

 

『そういえば最初の頃はカバーばっかりだったね。』

 

 

『今となっては申し訳ないなぁ。後でお詫びに食事連れて行こ。』

 

 

ここにはいないアイドルに向けて奢り宣言を行うP

 

 

『そう』

 

 

『チュリプロは当初カバーを集中的に行っていた』

 

ここで映像がナミネのデビューライブに切り替わるがPの回想ということでモノクロでの加工と消音が行われている

 

『だがPもそれを憂いていたのか自発的に作詞作曲を行うようになりそれはネットを騒がせることに』

 

凄まじい速度で次々と更新される掲示板やSNSの演出の後今度は同じ加工でアザミのデビューライブに変わりそこで回想終了

 

カメラは急いで戻ってくると余程疲れたのかあっという間に飲み物を二つ分飲みきりその場にへたり込んでしまう

 

それを見た会場のスタッフは急いでパイプ椅子を持ってくると傍に置いた

 

その行動に気をよくしたのでチップとばかりに札を渡すP

 

それに喜んだスタッフはスキップで戻っていき真っ白に燃え尽きてはいないものの力を抜いて座っているカメラマンの代わりにハサマPは飲み物を捨てにゴミ箱へ

 

戻ってくると丁度電気が落とされライブが始まるついでにカメラマンは疲労から回復する


『何でもない陽射し浴びて~♬』

 

カバーに使われた曲はなんとPの作詞作曲した”親しかった友思ふ”

 

それを見たPは苦笑いを浮かべて一人感想を述べていた

 

『怒れるわけないよね、同じことしてたからさ。』

 

『仕方ない。自分で歌詞作ろうと思っても上手くはいかないよね。』

 

『でもなー………せめてこの曲使わせてもらいますねとかそういうのは欲しいかな』

 

『うーん複雑』

 

カメラマンは先程自主的に椅子を返しに行ってきたらしく思わず驚きの声を漏らしていた

 

二人はステージのアイドル達と目が合ってしまう

 

目をぎらつかせてにっこりと笑うアイドルと急いでステージを見渡すP

 

『………………これはマズイ』

 

『逃げるよ!』

 

手を引きかなり整った姿勢でカメラを担ぐと突然走り出すP

 

『いやーシュネル君に鍛えてもらってよかったよあはははは!!』

 

人名を挙げつつ笑いながら走るPにより後ろ手にカメラが向けられると

 

案の定目のあったアイドルとそのファンが追いかけており警備員はそれを阻止しようとしているものの結果的には一緒に来ている

 

路地裏に入ってやり過ごすことが出来た

 

 『よかったよかった』

 

『いやーごめんねいきなり走らせちゃって』

 

担いでいたカメラを損傷がないか確かめてから返すP

 

『にしてもあのハングリー精神は賞賛出来るんだけどな』

 

『近くのものとかに目を向けたままでいてもらいたいものだよ』

 

『ファンとか共演する子とかそういうものにね』

 

『もしも離れたらもう取り戻せなかったりするかもだから』

 

『でも得るものもあったことだし』

 

『あの時追われる直前のPの目には一体何が映ったのだろうか?』

 

 

『………何かあったのですか?』

 

 

『端っこに男の子達がいたからさ、そういえば男子アイドルの需要をよく分かってなかったなと。』

 

 

『というわけで帰ったら増やしとこっと♬』

 

 

スマホを使いどこかに電話をかけてしばらくゲームをしながら待っていると

 

 

『君達お迎えご苦労様!』

 

 

 『路地裏に緑で統一された乗用車が押し寄せてくる』

 

マネージャーのグリムを筆頭としてチュリプロの面々がやってくる

 

『それじゃあお疲れ様バイバイね☆楽しかったよ☆』

 

グリムが運転する車に乗ると別れを告げそのまま乗用車の群れは去っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『放送終了後』

 

 

『我々は新たに三つのアカウントが作られているのを発見した』

 

ツブッターにチュリグと検索のキーワードが入力されると

 

”チュリグ芸能事務所@チュリプロ”

 

”ファッションブランド チュリグ”

 

”ハサマの個人用アカウント☆”

 

『本格的にネットへ足を運んでいくチュリグ』

 

『その先には何が待っているのだろうか?』