(アイラヴ)キョクゲイシ結成話(後編)

グリム「さて皆様、お集まりいただき誠にありがとうございます。」

グリム「ですが会場は入り切りませんので急遽アイドル枠とスタッフ枠に分かれて会場を設けます、その点ご了承下さい。」

グリム「こちらはスタッフ枠となります。アイドル枠は私が案内しますので着いて来て下さい。」

 

 

 

ハサマP『文句を言った人、みんな駄目。』

 

グリム「了解しました。」

 

ハサマP『こっそり扉とか壁とか蹴ったり殴ったりした人みんな駄目。』

 

グリム「了解しました。」

 

 

 

ハサマP『そっちはどのくらいになった?こっちは百弱』

 

グリム「二百強」

 

ハサマP『オーケー、終わったらすぐ行く。』

 

 男「あのー、入ってもよろしいでしょうか…………」

 

ハサマP「いいよ!」

 

縁司「………縁司(えんじ)と申します。飲食店のアルバイト骨董屋の店員テーマパークのスタッフ最近では神社勤めをやっていました。」

 

ハサマP「ここに来たのは何でかな?」

 

縁司「直ぐに飽きてしまう性格なのとストレスに弱くて。」

縁司「それと鬼なのに力強くない頼りない……と………ここなら受け入れて貰えるかなって……」

 

ハサマP「鬼だからといって皆がそうであるとは言えないからね。例外もいていいと思うよ。」

 

ハサマP「飽きちゃっても経験とかそういうのは活きると思うしアイドルもそういう感じでやろうとしてるからね。」

 

縁司「(面接というかこれお悩み相談………)」

縁司「後何できるか選べたりしますか?」

ハサマP「経理、備品作成、書類作成、営業のどれがいいかな?」

縁司「書類か経理ですかね………頭が良いとは言われてるので………」

ハサマP「じゃあ書類で決まりっと。」

縁司「…………ところで合格前提の話してません?」

ハサマP「何を言ってるのかな?ここに辿り着けた時点で余程の問題がなければ合格だよ?」

縁司「…………………へ?」

ハサマP「あ、他の子にはまだ言わないでね。君トップバッターなんだから。」

縁司「あ、はいわかりました………?失礼します。」

ハサマP「ばーい☆またね縁司君!」

 

 

 

グリム「………………次の方どうぞ。」

女「失礼しま…………す………?」

ナツメ「………………………………」

グリム「緊張しているだけなので。ではお名前と経歴をどうぞ。」

高郷「高郷季音(たかさときね)といいます。スーパーでアルバイトしてました……………後は小さい頃から歌が好きでよくやっています。」

グリム「となるとその背中のギターケースは」

高郷「いわゆる弾き語り……ですね。」

グリム「どうぞ。気の済むまでやってみてください。」

 

高郷「せなーかにあったつばーさはー♪ 君と共になくーしたー♪

高郷「とべーたころのきおーくは♪すりきずのようにーはきえてくーれない♪

(ギターによる繊細な間奏)

 

 

 

 

グリム「(義務教育を終えていない学生のようなルックスと全くと言って良い程に声変わりをしていない歌声そして優しげなギターの演奏………いけますねこれは)」

 

 

 

高郷「………………あ、最後までやってしまいました………」

グリム「大変澄んだ歌声と演奏でした。」

高郷「拍手ありがとうございます……後」

ナツメ「Zzzzzzzzzzzzzz…………………」

高郷「その子安らかな表情で寝ちゃってますけど大丈夫ですか………」

グリム「緊張が切れただけですので問題ありません。採用。」

高郷「…………………?」

グリム「採用。」

高郷「えっと、その場で…………?」

グリム「焦らしてもメリットが少ないので。」

高郷「あとその子は何故ここに?」

グリム「色々と事情がありましてね。まあお気になさらず。」

高郷「(これで長年の夢が叶ったのかな……)ありがとうございました…………!」

 

グリム「……………祝辞を言いそびれましたがまあいいでしょう。」

 

 

 

ハサマP「終わったから手伝いに来たよグリムちゃーん!!」

グリム「何故そこから入ってくるのでしょうかそして声自重してくださいプロデューサー。」

 

 

 

 

グリム「……………プロデューサーが来てから面接が倍速で進んでいくのとメンタルケアに一役買っています。」

ハサマP「最後の子どうぞー!」

 

リノ「何この子等身大のお人形さん!?超可愛い!リノお持ち帰りしたいんですけど!!!!」
ナツメ「!?」
ヨミ「リノ!その子生きてるから!抱きついてからの頬擦りは駄目だよ!」
シルク「でもびっくりしてるナツメちゃんも可愛いと思いますよ!」

ハサマP「(ぶっ飛んでるのが来た)」

グリム「(三人纏めて来るって……まあアリですか……………)」

ハサマP「一段落したら名前とか経歴とか教えて欲しいなー!」

ヨミ「すみません終わりました!」

ヨミ「僕はヨミといいます。精霊ダンスユニット“triangle“のリーダーをしておりました。ここは待遇が良さそうなのとそして楽しめそうな所と思ったので来ました。」

リノ「リノはリノっていいます!ヨミちゃんやシルクちゃんと一緒にダンスしてました!可愛いものが大!好き!です!」

 シルク「………シルクといいます。二人と踊ってると楽しいので出来れば一緒に居たいです。よろしくお願いします。」

 

ハサマP「三人一緒にいれば後はいいのかな?」

リノ「あ!リノはナツメちゃん?とも一緒にいたいです!!!」

ハサマP「いいよ。ついでに君達で面接は最後だから話しちゃおっか。」

ハサマP「どうしてアイドルにも手を出したのか…………そしてナツメちゃんが何故ここにいるのかというものをね。といっても」

 

ハサマP「ナツメちゃんが突然アイドルやりたいとこの子にしてはとってもびっくりする程思い切った事を言い出してまだやってなかったし興味があったからこうした」

ハサマP「という一言で済むんだけど。ついでにユニット組む子選んだ方がいいよねーって。」

ヨミ「……………つまりそのためだけにあんな規模の面接を行ったと?」

ハサマP「そうでもないよ。一人でもやっていけそうな子とかも結構必要だから、今後のためにもね。」

グリム「こちらも未熟ですので備えておきませんと。」

リノ「つまりつまりそれって私達とナツメちゃん組めるってことですか!?リノはとっっても嬉しいです!!」

ハサマP「後もう一人来ると思うよ、元猛獣使いの子なんだ。その子リーダーにしようと思うんだ何故ってモチーフがサーカス団だからね。」

シルク「妥当だと思います、双方未熟な状態だし発案したとはいえ初めからリーダーは正直なところ荷が重いですから…………」

ハサマP「ナツメちゃんよかったねー、素敵な仲間が出来たじゃないか。」

ナツメ「………あ、えっと、そうですね…………ありがとうございます…………」

グリム「………それでクロマさんでしたっけ。そろそろ来ますよね?」

ハサマP「来ると思うよ?」

 

 

クロマ「どうもー、散歩ついでに来ました。」

狼「Grrrrrrrrrr」

クロマ「………………あ、唸ってますけど噛みはしないので大丈夫です。」

 

ハサマP「やあやあクロマちゃん待ってたよー!突然だけど君リーダーね!!」

 

クロマ「そうですか、まあ頑張ります。…………その子が例のモデルですか。」

ナツメ「あ、はいよろしくお願いします。」

クロマ「うん。よろしくねナツメちゃん。」

リノ「その狼さん暖かそうですね!!触っても良いですか!?」

クロマ「やりすぎないでね。」

リノ「わかりました!狼さーん怖くないですからね触らせて下さいー」

シルク「……………狼ちゃん後ずさってる。」

クロマ「………君達凄いね、強面だけどその子女の子だよ。」

リノ「やっぱり!?リノもシルクもクロマちゃんも凄いですね!!!」

ヨミ「ユニット名はどうするのですか?」

ナツメ「………んっと。凝ったのは出来ないからキョクゲイシかな…………」

グリム「ではそれで決定で。個人的にはナツメさんはクロマの片腕ポジションが良いと思うのですが。」

ハサマP「あ、いいねそれ。1メンバーもなんか違う気がするし。」

ナツメ「精一杯頑張ります。」

リノ「ほんっとナツメちゃん可愛いー!!」

ヨミ「デビューの時はどうします?」

ハサマP「既にメンバーとモチーフは決まったから後は大々的に宣伝してデビューやってそれがどうなるかだね。」

ハサマP「そういえば君達は何が出来るんだっけ。」

ヨミ「僕は周りを暗く出来ます。気分ではなく視界の方を。」

リノ「リノは光を走らせられるんですよ!!壁とか床とか天井とかピッカピカなんです!!」

シルク「そよ風とか激しい風とか色々出来ます………」

ナツメ「…………(とりあえず小さいの)………」

ヨミ「ナツメちゃんは精霊だったのですか?」

ハサマP「人間だよ。たまにそういう子来るんだよね。」

シルク「世の中は不思議なことがまだまだいっぱいありますね。」

ハサマP「だからこそ面白いんだよ。さてデビューをどうするか考えようか!」

 

 

 

大々的に宣伝を行ったのとチュリグがファッションにおいて名を轟かせていることもありコンサートホールは沢山の観客で溢れていた。

 

派手なパフォーマンスはまだ浸透していなくだからこそ観客の目にはとても輝いて見えた。

キョクゲイシは瞬く間に人気ユニットと化し取材が殺到した。

 

丑三つ時に夜景の向こうを見据える影が一つ。

 

「………………………………あの方向の国がアイドルの本場か。」

 

「……彼処にはどんな景色が歓迎をしてくれるかな?挫折かな?栄光かな?平穏かな?もっと違うものかな?」

 

「とても楽しみで楽しみで楽しみで楽しみで楽しみで楽しみで楽しみで楽しみで楽しみで楽しみで仕方がない。」

 

「転んでもそれで怪我しても未だ体験したことない取り返しのつかないことになっても私は走り続けよう。」

 

「そうまでして見たものはいつだって素晴らしく醜く美しいのだから。」

 

ハサマPは物件と土地を購入してチュリグ芸能事務所を創り上げると

マネージャーとアイドルやスタッフと共に移り住みまた新たな世界へとその身を投じていくことになる。

 

新天地への期待に相変わらず目を輝かせながら。