(アイラヴ)編集長

私は月乃御小浪(つきのおこなみ)、ついさっき仕事をやめてきたばかり。


今は路上を彷徨っている。別に仕事が嫌だったわけではない。


ただそこにいる人が無理だっただけだ。私は私の名前にコンプレックスを抱いているのだが


それを執拗にいじりしかもセクハラもしてきたのでそれが頭に来て啖呵を切りやめた。



子供はいい、ノーカン。好きだし。でもハゲのおっさんは無理。以上。


不意にぶつかり私は頭を下げて「すみません」と条件反射で謝ってしまった。


謝るのは悪いことではないのだが相手が柄の悪い奴ばかりなので憂鬱さが増して


「 NO problem!! アナタこそ大丈夫デスカ凜々しいお嬢さん? 」


………………………ない、声がデカい、なんだこのアメコミにいそうなミドルエイジ。いや本当になんだ。



全身を白で固めサングラスも着け鮮やかな虹色の髪を1つに結んでいる。染めたものだろう。


だってこれが地毛だったら世界的なニュースにでもなってるはずだし。


そして周りに人がいなくなりここだけモーゼの奇跡が起こっていた。気持ちは分かる。


ところでお嬢さん!ワタシの会社に来まセンカ!?芸能の雑誌を創るのデスガ!!



このスカウトマンは脈路がなく押しが強い………ん?


「今さっき「ワタシの」と言いましたがもしや貴方は……」


YES!ワタシ編集長デス!経営もシテマス!どうデスカ!来まセンカ!


顔が近い。悪意は無さそうなのでとりあえず行ってみようと頷いた。


では早速行きまショウ!HEY!!タクシー!!


高級感のあるタクシーは猛スピードでこちらに走ってきて急ブレーキで止まった。私は専属だとなんとなく分かった。



ここはネットで有名な事故物件な筈だがリフォームしたのか綺麗になっており何故か煩い。


安かっタシ折角なのでトレーニングルームも創りマシタ!


「………何か変なことが起こってたりとかはしないのですか?」


たまにトレーニングに集中しすぎて時間を守らない人がイマスガそれ以外は特にアリマセン!


「………時間?」


勿論定時デース。ゴハンもアリマス残業とか論外デース。


「時給はあまりアリマセン、4600円が今の限界デース……」


「いや充分高いでしょうが!……雑誌を創る会社とのことですがどのような内容でしょうか?」


「アナタの場合は取材と編集どちらもやってもらいマース。」


「………取材と編集どちらも?」


「YES。アナタは子供が大好きデスノデ。」


「………?どういうことでしょうか?」


「取材対象は見知ってる芸能事務所の子役デス。許可は既に取ってアリマス。」


「ドウデスカ?」


是非ともやらせてください!!!


気合充分デース!


「………ところでお名前は?」


「……忘れてマシタ、私こういうモノデース」

『Nyan☆nyan』編集長・『既読社』代表取締役・スカウトマン
ディビット・ガイダンス

屈まれて渡された名刺には黒地に銀でどこか既視感のある名前が書かれていた。


「気軽にMr.Gと呼んで下サーイ」


Mrが付いているのに気軽に呼んで良いのか分からないが呼んでみる。



「よろしくお願いします、Mr.G。」


「よろしくお願いシマス、Ms.moon。」


名前に気を遣われながら固い握手を交わした。


「ところでMr.G。」

「何でショウカMs.moon。」

「雑誌の名前が意外過ぎて驚いたのですが。」

「女性の方を狙ってミマシタ、写真デスガ表紙はこんな感じデス。」

「……………逆光が凄いですね。」

「目立つのは良いことデス。」

「後これは希望なのですが」

「何でショウカ?」

「インタビュアーと名乗ってもいいでしょうか?」

「………………?こだわるのは良いことデス。」

「頑張ります」

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ディビット・ガイダンス(Mr.G)

人間 男 60代前半 編集長・経営者・スカウトマン

「素質を見抜く」シックスセンスの持ち主。

鬼並みの体格と白スーツにサングラスそして虹色の髪という非常に目立つ容姿をしている。


根っからの善人なのだが生きる気力が薄い者を見るとついお節介を焼いてしまう。


名家の出身だったが問題児すぎて家名を名乗るのを一生禁止された。

だが本人的には良かったようで後悔は一切していない。


人脈が非常に幅広くほとんどの人から信頼されている。