葉月の第二の場所

作品置き場とかそういうあれだよ。関係無いのもある?知らんな。

(閲覧注意)元旅人の魔物飼い

………始まりはもう覚えていない、幼い頃の記憶も魔物の姿だけで人はいなかったことくらい。



思えば様々な国を巡ってきたものだ。




まあ、どれもこれも魔物の扱いはそんなに良いというわけではなかったけど。




何かに危害を加えたなら別に構わない。被害が出たのだから。



でもただ存在してるだけで殺されるのは許せなかった。



そういう国も確かにあり危険に晒されたが共感をしてくれた人達のおかげでこの命は助かった。




今居る国は行くと言ったとき周りの人全員に止められたなぁ。




『彼処だけは彼処だけはやめて貴方はいい人だから死なないで』



『化け物がいるんだ、国を沢山滅ぼした化け物が………』




こんな感じのことを耳が痛いくらいに言われたね。大体分かったことが



・犯罪犯したら問答無用で死ぬ


・彼処には単身で国を滅ぼしまくった化け物がいる



・行っても息苦しいだけだから行かないで




本当かなこれ?全部が確定だったらそんな噂ないよね。



本を漁っても記述があまり無いから直接それを確かめに来たわけなんだけどさ。




「旅人だね?いらっしゃい。何買ってく?」



「チュリグへようこそ。君可愛いね、そこでお茶でも飲まない?」




…………………イメージと違いすぎでは?





お茶の誘いはとりあえず断って食事処で食べ物の美味しさに感動した後
支払いを終えて外に出たら通り魔が発生。




犯罪を犯したら死ぬのではなかったか?と周りを見てしまった



ゴミを見るとか嬲るというのが可愛く思える。あれは生命体とすら思っていない目だ




犯罪者に業火や鎌鼬が一斉に飛んできた。放ったのは精霊だけではない。



うっかり当たったら死にそうな威力なのに何という連携だろうか。




犯罪者も犯罪者でまだ生きて動けているあたりかなりの生命力があるけど。




武術の大会に行った方がよかったのではないかな?



我ながら吞気にそう思っているとタックルの姿勢でこちらに向かってくる




当たったら死ぬので火力は欠けるが機動力に優れた魔物に実体化の後喉を噛み千切って貰った




「行け」という言葉も指差も必要ない。


一種の呪いとも言われた生まれつきの才とコミュニケーションによる信頼関係が私には確かに有る。



初めて殺したとはいえ正当防衛だろう。でなきゃ既に死んでいる。



周りがざわついているのはもう慣れた。今回は怯えによる排斥かな?



わざわざ待つのもないから行くか。それなりに楽しかった「お待ち下さい」



………ゆっくりと振り向く。アスラーンの女性が後ろから声を掛けてきたようだ。




ざわめきが止む、何者だろうか。数歩引いて取り囲まれていたから足音くらいは分かるのだけれど。




「何方ですか」



「………警戒するのは当然ですね。私はグリムと言います。貴女は」




「何か事情が有るようですね。ところで先程の魔物の行方を知りたくはありませんか」




そういえば戻ってこない。もしや何かされた?



「気になるようですね。ではあちらの方向をご覧下さい。」



示された方向を見た。人はもういなくなっている。一体どんな光景が



「あはは、可愛いーおりゃおりゃ」




…………性別が分からないアルビダの子供が屍の上で魔物を抱えて遊んでいた。




何故怖がらない?グリムという女性も堪えているのに?





「ねー。君この子の飼い主?初めましてーハサマはハサマっていうんだよ。」




子供は屍から降りると落雷を発生させ跡形も残さずにこちらへ歩み寄ってきた。




「見ての通り姿は子供ですがこの国の王で数百年程生きており更に無性です。」




………………それどこのファンタジー?あ、透明化して急いで戻ってきた。




「………呼び止めた、理由は」




肝心なことを聞くのを忘れていた。




「側近ならない?“土地“なら丁度良いのがあるよ。」



「…………ははっ。それを言い当ててくるとは。」



「君去ろうとしたじゃん?それさ、周りを怖がらせないための配慮だよね?やっさしーい!」




初見だというのにもうこれは笑うしかない。止まれない。



「クロマちゃん凄く喜んでる。グリムちゃん送ってあげて?」



「了解しました」



何ということだろう更に名前まで付けられてしまった。



まあいい、いくら名前がないからといって
デーモンなどという蔑称で呼ばれるのはもう飽き飽きだ。




遠慮無くこれからはそう名乗らせてもらうとしよう。