教皇と国王

チュリグ王宮に届いた薄い水色が涼やかな印象を与える手紙

チュリグ国王ハサマ様

初めまして、突然のお手紙を差し上げる失礼をお許し下さい。

私サクチュアリ国の×××××と申します。

まずはチュリグ国と交流をしたいと以前から思っておりこれを送りました。

……ですが私は国から出ることが叶いません………

お暇な時で構いませんのでそちらから来て下さると大変有難く思います。

以下省略


王はあの手紙を読み終えるなり今すぐ行こうと提案し近くにいた私を誘い

それに応じ二人でサクチュアリ国に転移しました。


住人がそこら中で二人なのに複数人で話しているような会話をしていたのが気になりましたが

犯罪も起こらず助け合いをしていたりとほんのり温かい雰囲気を感じつつ

待ち合わせ場所になっている小さな館に入りました。


現在そこの一室で長四角のテーブルの周りにある

木製の質素な椅子に向かい合わせで座り教皇を待っていますがもう四時間は経ったと思います。


本棚にあった本も読破済みです。怒りが湧いてこないのが不思議でなりません。


王はというとお菓子お菓子と寝言を言っております。熟睡です。


不意に扉が開くと「遅れて申し訳ありません。少し腰がビキッといきましたもので」と

柔和な笑みを浮かべた枯木のような黒肌の老人が出てくると

一番奥の座布団が載せられた席へ蝸牛くらいの速度で移動し座りました。

ちなみに移動中の杖の音で王が慌てて目を覚ましました


「わあグリムちゃん今誰!?この人何時!?あ外夕焼けきれい!!」


「一旦落ち着いて下さい王よ」

「お酒を飲むといいですよ、どうですかハサマ様。」

飲む!!

「酒で気分が落ち着くのですか?」

「ええ、鎮静効果のあるハーブを沢山使っていてうちの特産品なんですよ。」


教皇が扉に視線を向けるとまた開いて宙に浮いている

お盆に載せられた酒と器が……ん?宙に?浮いて?

「いつもありがとうございますムラサナさん、……これがそのお酒に……」

「…………ええ、お二方もやはり驚きますよね。そうですね、条件を満たさないと認識できない人と思って下さい。」

「……わかりました」「……わかったー」

「それでは、乾杯といきましょうか。」

「「「かんぱーい」」」


酒の感想 確かに落ち着きましたが味が濃すぎてかなり堪えました