(閲覧注意) ハサマ王(+エクレアと黒観測者)と物騒なお客さん

滅んでしまった祖国の敵討ちに俺は今チュリグの玉座前にいる。

ここの王がその敵だ。例え不老不死だとしても必ずや殺してみせる、それが俺の使命だ。

今日何度目か分からないほどの決意を抱き扉を警戒しながら開けた。

目的地

玉座にも警備は無人、敵がいるだけで後は何もいない

敵はというと小さく手を振っている

これから死ぬとも知らずに吞気なことだ

俺は刃を振りかざし敵に己の全力を出して疾走した、筈だった

突如として、俺の両足が床に喰われたように切断され

前のめりに倒れるかと思いきや不可思議な力で固定された

苦痛の声を必死に押さえ込み目の前の敵を睨む

「びっくりしたよね?」

「別にさ、ハサマや自国チュリグに危害さえ加えなければ生き残りとか気にしないんだけどね」

「スペック?とかそういうのが高かったら国民にするけどね?」

呪詛それ 向けちゃったからねー」

はっきり言って死ぬしかないんだと笑顔で続けると目の前の子は恨みの表情を強くした

おお、怖い怖い。いや怖くはないんだけど

「いつもなら雷すぐ使うんだけど「たまには王らしく座っていろ」って旧いお友達に言われてさー」

「あ、君の意識保ててるのも旧いお友達がやってるからだよ」

「両足やっちゃったのは……何というかペットとかそういうのかな?」

「結構懐いてくれてるんだよ、食いしん坊だけどそこがいい。」

楽しそうに自分語りをするハサマ王に苛立ったのか呪詛の刃を強めるアスラーンの男。

まあそれがハサマ王に届くことはないのだが

そろそろ朝になるぞとハサマ王の脳内に語りかけると

今更気付いたのか自分語りを丁度良く終わらせ

「じゃあそろそろ食べちゃっていいよ」と許可を出すと

エクレアハサマ王のペット は男を包み込むようにして喰った

エクレアが食い終えるとハサマ王はわざとらしく欠伸をする

そして自室に上がるといつも通りエクレアを

不気味な首吊り(に見える)マネキンに収納すると

ベッドに寝転がってあっという間に熟睡した

それを見届けると私は帰った。

これがチュリグの「裏」である。

私やエクレアは限られた者しか知れない存在なのだ

夜の警備が無人なのもそれが理由

こんな時間に客が来るのも先程のように殺害目的か

あまり知られてはいけない話をしに他国の重要人物が来るかだ

店も宿以外全て閉まっており夜行性の国民が散歩を楽しんでいるだけだから特に見所はない

余程の事情が無い限り夜のチュリグには行かない方がいいぞ?